

イランの中心部に位置する都市“カシャン”は、古くから絨毯をはじめタイル・陶器・ビロード・ダマスク織りなど手工芸の町として名声を博してきました。特にカシャン・カーペットの製作はアッバス朝あたりから織られていたと言われています。カシャンのカーペットと言えば、シルクカーペットが有名で、敷くためより工芸品として飾るため・貢物として織られていたようで、この「モータシェン工房」のカーペットもその内の一枚と思われます。デザイン、色、品質に初期の「モータシェン工房」の作品であることを示す菱形メダリオン文様の独特なデザイン、活気に満ちたアラベスク、仔羊のコルクウールを使った細かい織り、可憐で柔らかい草木染めなど、他のカシャンの作品には見られない特徴があります。メインボーダーは、ソフトローズの葉の文様が紺のベースに鮮やかなコントラストを見せています。現在一般的には、なかなか観ることが出来ない作品で、テヘランの国立博物館に一部展示されているのみと思われる大変貴重な逸品です。
