

テヘランから南へ420Km。イラン第2の都市イスファハンは、遠く16世紀末には、サファヴィー朝ペルシャの首都として隆盛を極めた歴史のある都市です。モスクや宮殿、さらにペルシャ絨毯の制作には大変力を入れてイスラム芸術の黄金期を築いています。王室、礼拝堂など主要な場所には必ず絨毯を敷き、そのための宮廷工房も作られ、職人たちも競うように技術を磨いていたと伝えられています。
このカーペットの特徴は、全てデザインにあります。ピクチャー柄となると、ほとんどがハンティングデザインのこの時代に、どこか穏やかな風景画は大変珍しく、現在織られている風景画の原点とも言われています。今もこのデザインは、他の産地においても織られ、オリジナルカーペットとしての価値の高さがうかがえます。このカーペットは、同時に2枚織られ長期にわたって一緒に存在していましたが、何らかの理由で、別々となってしまい、もう1枚はどこかで大切に保管されていると思われます。制作したカルーザデ氏は、すでに他界しておりますが、その後はなかなかオリジナリティーのあるピクチャー柄は、出てきておりません。絵画としても楽しめるカーペットです。
