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形象の未来―日本現代アート
作家紹介

5月12日(金)~29日(月)開催の「形象の未来―日本現代アート」では、酉福ギャラリーの協力のもと、世界のコレクターや美術館をも魅了し続けている日本の作家11名の独創的な現代アートを集めました。作家と作品の詳細プロフィールを紹介いたします。

 

◆深見陶治

深見陶治

“晨”
(2016年、青白磁、H32 x W61 x D23cm)

日本の現代陶芸を世界に広めた先駆的な作家であり、その作品を収蔵する美術館の数は世界中で60以上にもなるなど、これまで各国の美術館学芸員・コレクターを魅了し続けてきました。作品は中国の宋時代に興隆を見せた青白磁で、完璧に焼き上げることに美を見出すためその制作は至難といわれています。しかし、深見陶治氏は独自の技法を用い、さらに青白磁では類を見ないほど大きいスケールで、気泡や不純物などの欠陥が一切見受けられない作品を生み出しています。用の美に依拠してきた日本の陶芸をはじめて広義に現代美術たらしめた深見氏の影響により、陶芸の素材を用いて抽象表現を志す作家が後を絶ちません。

 

◆長江重和

長江重和

“動きのかたち”
(2016年、磁、H31 x W78 x D33.5cm)

日本を代表する作家のひとり、長江重和氏は焼きものの産地・愛知県瀬戸市で制作しています。焼きものの世界では、良く知られている「鋳込み(いこみ)」とよばれる器の大量生産に向けた技法を逆手に取り、あえて一点ものの作品に応用した技術は、革新的といえます。また、作家の代表シリーズ「列なりのかたち」「動きのかたち」にみられる形は、いずれも窯の中で変容させて造形しており、素材と技法の特性を活かした他に類をみない作品です。2016年には新たにメトロポリタン美術館にも作品が収蔵され、世界のコレクターや美術館をも魅了する作家といえます。

 

◆三原研

三原研 1

“景”
(2016年、陶、H49 x W47.5 x D33.5cm)

メトロポリタン美術館(米)、ヴィクトリア&アルバート美術館(英)など40館近くもの世界各国の美術館に作品が収蔵される島根県出雲の陶芸家・三原研氏は、国内をはじめニューヨーク、シドニー、シンガポールの個展では完売し、世界的に評価される造形作家です。2005 年から12年あまりの間に「静寂」「起源」「鼓動」「景」と次々と新しいシリーズを発表し続けてきた三原氏。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」との言葉があるように、三原氏の作品のシルエットは変わりゆく季節や流れる川のように絶えず移り変わりますが、根源にある美観や理念は変わることはありません。

 

◆家出隆浩

家出隆浩

“立つ”
(2010年、黄銅、洋白[銅、亜鉛、ニッケル]、青銅(銅、錫)、アクリル、H52 x W26 x D30cm)

2016年、秋の紫綬褒章を受章した家出氏。数種類の針金を竹籠のように網代編みした後、叩いて成形し銀蠟で接合する鍛金作品を制作しており、作者はこの独創的な技法を「あやおりがね」と呼んでいます。用に供するところから始まった日本の金工技術が、今日家出氏の手によって現代美術としての芸術的表現に昇華されました。作品は“人間の連帯”を意識したものであると作者は語っています。工夫を凝らした台座も家出氏の手によるもので、作品を一層際立たせています。

 

◆杉谷恵造

杉谷恵造

“玄交”
(2016年、陶、H54 x W31 x D29cm)

大阪を拠点に陶で彫刻する杉谷恵造氏。彼の「玄交」作品シリーズの人気は留まることを知らず、近年のアメリカをはじめヨーロッパやアジアで開催されたアートフェアにて瞬く間に完売するなど、いま、国境を越えて大きな反響を呼んでいます。錆の様な肌の風合いから一見金属のようにも見えるその作品は、ミニマリズムの雰囲気を携え、見る人を魅了して止みません。

 

◆田中信行

田中信行

“The Tactile MemoryFloral Impression2011-1”
(2011年、乾漆〈漆、麻布〉、H45.5 x W99.5 xD30.5cm)

漆を現代アートの素材として先駆けて用いた作家であり、日本の漆が常に携えてきた実用性という側面を超えて、純粋な造形表現を追究しています。その作品は時に5mを超えることもあるなど、漆作品の常識をはるかに超えたスケールを誇っています。そういった革新性が特に評価され、2015年、東京の森美術館とフランス・パリにあるポンピドゥー・センターの共同企画により開催された「シンプルなかたち展- 美はどこからくるのか-」では、出品作家の一人として抜擢されました。「世界の様々なアートに刺激を受けつつも、縄文以来日本の基層あるいは深層から立ち上がる独自な造形を、漆を通して表現すること」を求めてきたという田中氏。いわゆる工芸素材を使って制作する同時代の作家たちに、大きな影響を与えています。

 

◆武山直樹

武山直樹

“ゆきあい”

(2014年 、七宝(銅、金箔)、 H37 x W29 x D12cm)

若手作家の中でもいま一目を置かれる日本人作家の一人。七宝という古くからある技法を駆使しつつ、これまでにない独自の表現で現代アートの世界から注目を集めています。武山氏の作品づくりは、一枚の銅板を手で正確に幾度も折り、金箔・銀箔でできたドットの装飾を一つひとつすべてフリーハンドで貼り付けるなど緻密な工程を経ており、七宝の新たなる可能性を切り開きました。こうして完成した抽象的な造形作品は、「アートは生きる術であり、行きる証でもある」という作家の言葉通り、武山氏の魂が宿っているかのように感じられます。

 

◆朝倉隆文

朝倉隆文

“不定詞ノ記憶”

(2011年、日本画〈和紙、墨〉、H152 x W192cm)

横浜を拠点にする朝倉氏は、30代にして2012年、2014年と二度もの日展の特選受賞を果たし、さらには最年少で同展の正会員となるなど、いま最も活躍が期待される作家のひとりです。その活躍は国内にとどまらず、海外のアートフェアを中心に作品を発表しており、2014年にはパリで個展を開催し高評を博しました。作品の多くは神道を題材としており、隙間を埋め尽くす古事記も全て一本の面相筆と墨によって描かれている。その題材と技法は伝統的でありながらも、作家の表現する抽象画や書は極めて前衛的であり、世界のコレクターや美術館から高い評価を得ています。

 

◆津守秀憲

津守秀憲

“胎動 ’16-9”

(2016年、ガラス、陶、H22 x W48 x D42cm)

2016年5月、ニューヨークで初めて発表した作品が、いきなりボストンの美術館に収蔵されたガラス作家の津守秀憲氏。今まで海外展に出品された作品はすべて完売しており、快進撃が止まりません。独自の技法によって、ガラスと陶土を組み合わせた新素材を用い制作。その作品は、透明性と不透明性を併せ持ち、儚さと存在感を同時に表現しています。その神秘的な世界観は、国境を越えて多くのコレクターを魅了しています。

 

◆加藤貢介

加藤貢介

“Flow”

(2016年、ダマスカス鋼〈鉄、ニッケル〉、 H28 x W26 x D11cm)

ダマスカス鋼と呼ばれる、古代シリアで初めて生まれたこの鉄合金の素材を用い、現代アートの世界へ果敢に挑む新進気鋭の作家・加藤貢介氏。神奈川県綾瀬市にアトリエを構え制作しています。若手ながら多くの公募展で入選・受賞を果たし、今後が期待される作家のひとりです。ダマスカス鋼は2種類以上の鉄系金属を1000度で熱し、叩き、何度も折り重ね、地層や木目のように積層させて作られています。作家はこの鉄の性質を巧みに操り、7種類以上もの金属を用いて表面の美しい模様を実現しています。

 

◆米元優曜

米元優曜

“Spiral III”

(2015年、ガラス、H15 x W74.5 x D18cm)

弱冠24歳で「東京ミッドタウンアワード」展でグランプリを獲得し、その後も名立たる公募展において数々の賞を受賞するなど、輝かしい実績を誇ります。主に海外を中心に発表をしており、世界のコレクターをも魅了するその作品は、板ガラスを気泡や不純物が入らないよう一枚ずつ慎重に貼り合わせ、その後1ミリずつ研磨し彫刻していきます。その確かな技術と造形力には目を見張るものがあり、今後の活躍がますます期待できる新進気鋭の若手作家です。

 

 

*作家名は順不同

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