SUN MOTOYAMA

新・サンモトヤマ銀座本店 11月17日(金) GRAND OPEN

サンモトヤマは、11月17日(金)銀座・並木通り6丁目の東京銀座朝日ビルディング(旧・東京朝日ビルディング)の完成に伴い、待望の新・サンモトヤマ銀座本店をオープンいたします。1Fは、英国王室御用達の「アスプレイ」、2Fは、レディス&ジュエリーを中心とした品揃えです。新しいサンモトヤマに込めた想いを、私たちが、いま改めて大切にしていきたいキーワードと共に、ご紹介します。

新・サンモトヤマ銀座本店グランドオープンに
向けて
Interview

今秋にグランドオープンを控えるサンモトヤマ銀座本店。新しい店舗のデザインと設計を手がける柳原照弘さんにお話を伺いました。柳原照弘さんの視点をひとつひとつ伺っていくなかで、ふたたび生まれるサンモトヤマの像が少しずつ見えてきました。

未来の銀座を想像し始める。

「はじめに依頼をいただいた時に、すぐに会長の本を読みました。そこには、『違う文化が入ることで都市が成熟していく』と書かれていました。僕自身大阪を拠点に活動をしていますが、仕事で東京や銀座にも足を運びます。ここ最近、銀座の街の変化は感じますが、もっと本質的に変化し、新陳代謝していかなくてはいけない時期なのだと思っています。茂登山社長も『これまでサンモトヤマが守り続けてきたファッションと文化の歴史、その貴重な存在感を守りながらも、その立ち位置を超えたものを作ることがこの先の銀座の風景になっていく』と、今までの銀座ではない“未来の銀座”の話をしてくれます。そこに僕が違う角度で関わることで、異なった視点が合わさり、何ができるだろうと考えてきました」

銀座の未来を考えるところから始まった今回のリニューアルプラン、どのようにしてイメージを擦り合わせていったのでしょうか。

「僕たちの幾度かの会話のなかで、見出した共通の美意識が“和モダン”でした。たとえば、知人が扱う京都のアンティークや、好きだと思うベルリンの写真家のビジュアルなど、そのひとや物の思想のなかには日本的なことを深く知り、新しい価値に置き換えているという共通点がありました。それは、“和モダン”と表現してしまうと軽いのですが、さらに大きくて重みのある価値観です。その部分を形にしていきたいと思って空間作りに取り組みました」

「時間」という共通点

空間の方向性が定まってきたところで、実際の店舗の設計が始まります。

「サンモトヤマが海外から買い付けてくる商品のセレクションと、和モダンを感じさせる美意識や商品を、空間のなかでどう繋げていくかは、最も悩んできた点です。例えば、100年前のグラスと現代の洋服。表面的にはまったく異なる2つのものを、結びあわせていくことは難しく、違和感が生まれてしまいます。一方、これらには通じ合う点がありました。現代の洋服と言っても、ファッションや縫製としての長い歴史があり、そこに紡がれてきた時間があります。現在のアンティークも、当時は挑戦的でクリエイティビティが感じられたのでしょう。歴史を超えてきている点では、両者も同じような価値観をたずさえているのです。挑戦し続けるものづくりとして、同じ考え方がそこにあるのです」

空間に落とし込んでいくこと

具体的に、さまざまな構想を空間に落とし込んでいく際に、商品の特性、スタッフの動き方などをよく知るために、関わる関係者にインタビューを行ったそうですね。

「空間を形作る素材については、時間が経てば経つほど、風合や良さが出てくるもの、石や木や土(左官)を選びます。石は石の素材のまま、仕上げとして処理をしていない無垢の木を使います。普通は、時間軸を早めるためにエイジング加工したりしますが、汚れないような処理をして形を留めてしまうと、綺麗なまま保つことはできるけれど、時間も止まってしまうのです。サンモトヤマの経てきた時間と、これまでお客さまに届けてきた商品を思えば、そこは妥協をしたくない点です。一方で、お店の主人(あるじ)ともなる、現場のスタッフの意見も聞きながら、使いやすく、育てていきやすい空間づくりを目指します。ものが置かれた時に、どうよく見えるか。銀座の新しいお店では、スタッフ自身の意識もさらに変化していけば嬉しいなと思っています。僕は、意識の変化は空間の質によってもたらせると考えています。たとえば、神社に入った時に、境界は見えないけど、ふっと気持ちが変わるような。

空間の構成や、趣向を凝らした箇所はどのような点でしょうか。

「ヨーロッパのショーウィンドウは、外からどれだか見てもらえるかという視点を大切にしてメインの場所に一番見せたい商品を置きます。今回は、入り口のファサードを中にまで延長し、あえて、建物の中と外をなじませています。今回、1Fはイギリスの老舗ブランド“アスプレイ”の商品が並ぶことが決まっていますが、サンモトヤマというお店の空気感を漂わせつつ、表から本質(思想)を感じてもらえるようなファサードとして、引きまれるような設計を心がけました」

2Fへ上がりエレベーターを降りるとプロムナードが現れます。右側が“クローゼット”、左側が“ジュエリー”。シーンごとに、気分に合わせた商品展開を行います。また、スタイリングを提案したディスプレイ、さらに、お客さまには座ってゆっくりとお選びいただけるように、並木通りを眺められる窓際には、まるで縁側のようなサロンスペースをご用意しました。ごくプライベートな空間でありながら、いつ来ても新しい提案が待っている、そんな構想に行き着いた経緯はどんなことだったのでしょう。

「サンモトヤマさんのホスピタリティを思うと、2階はホッとしてもらえるような空間でありたいと考えました。お店はスタッフが立ち動いてこそ、完成された空間になります。クローゼットはごく個人的な存在ですが、あくまでもここでご用意するのは、お客さまが自身のために選んだいくつもの選択肢を、自分だけの時間で選べる、という場所です。特別な場所とごく身近な場所が同化していきます。理想を言えば、そこには香りがあったり、花がしつらえられていたり、サンモトヤマならではの独特なプライベート空間を目指していきたいです」

暮らしのなかにデザインが溶け込んでいく

いつも描いている「こうだったらいいな」という理想の空間はあるのでしょうか。柳原さん自身のデザインポリシーを伺ってみました。

「本来は、暮らしのなかにデザインが溶け込んでいて、本質的に暮らしが豊かであって欲しいと思っています。僕がかつて訪れた北欧での日常生活がそれを実現していました。質感や思想を思い求めていくことは、便利さや簡単さからは遠のいて行くことが多いのですが、だからこそ丁寧にできることも増えていきます。手間がかかるけれど、そうした所作も大切にしたいのです」

お店のなかで、ここは見てもらいたいと思っている箇所は、どんなところでしょう。

「やはり、手元ですね。什器に関してはかなりディテールにこだわりました。ものを取り出す時に、引き出しをスライドさせるのですが、スライドした後にも金具が見えないように設計してあります。お客様は開ける時に、じっとその手元をご覧になるでしょう。商品を取り出すまでを、ひとつの所作としてご覧になるのです。お客様が“もの”を見る視点の先や、それを取り囲む空間の素材バランスを組み立てていくのがとても大事なのです。石や、無垢の木の表面の質感を大切にすることは、高価な皮のバッグを傷つけかねませんが、そんな時こそサンモトヤマのスタッフは、さりげなく布を広げ、その上でバッグをご覧いただくでしょう。毎日繰り返されることこそが、付加価値となるために、その作業量や、所作にどんなものがあるか調べ、話を聞き、設計していきます。あくまでも、お客さまの目線を大切に考え、空間を作り込んでいきます。
なぜなら、私たちが描く未来の銀座は、ものに溢れていた“もの優先”の社会から成長し、ものだけでなく、ものとホスピタリティが共にお客さまに伝わっていく場所になるべきだからです。これまでサンモトヤマが大事にしてきたことを、新しい見せ方で、変わらずに継承していく。そうですね、伝統工芸に近い存在かもしれないですね」

  • インタビュー・文stillwater
  • 写真Hanae Miura
Photographer: Anneke Hymmen
設計士・デザイナー 柳原 照弘 Teruhiro Yanagihara

1976年香川県生まれ。デザイナー。2002年自身のスタジオを設立。デザインする状況をデザインするという考えのもと、国やジャンルの境界を超えたプロジェクトを手がける。クリエイティブディレクターとして家具ブランド KARIMOKU NEW STANDARD, 革小物ブランド TYP/Morpho, 陶磁器ブランド 1616/ arita japan, 佐賀県とオランダ共同の有田焼プロジェクト2016/ 等の国際的なブランドの立ち上げに参加している。作品所蔵:フランス国立造形センター(CNAP)等。共著に「リアルアノニマスデザイン」(学芸出版)、「ゼロ年代11人のデザイン作法」(六曜社)等。teruhiroyanagihara.jp

茂登山貴一郎氏のインタビューを見る

今秋にグランドオープンを控えるサンモトヤマ銀座本店。新しくなる東京銀座朝日ビルディング(旧・東京朝日ビルディング)に戻ることは、どんな気持ちなのでしょう。また、これまでのサンモトヤマから、何か新しい息吹のような発信が始まるのでしょうか。茂登山社長に話を聞きました。

いかに、豊かに過ごすか

「北欧という国は、木もないのになぜ、あれほど家具や空間がデザイン性に富んでいて、進化して行ったのでしょう。厳しく長い冬のなかでも、豊かな文化が育まれたのです。いや、むしろ厳しく長い冬があったからこそ、なのかもしれません。いかに豊かに過ごすか。それは、充分な時間と心のゆとりがあってのみ、成し得ることなのでしょうか。私たちは、このことを日々考えて提案しています。今回の新本店では、大きなテーマとして考えていることです。私たちが提案するものを通して、ひとつひとつのストーリーに触れ、ここにしかない出会いを届けたいと、考えています。

具体的には、どんな新本店をイメージしていらっしゃいますか。

「まず、スタッフひとりひとりも、銀座の空気を肌で感じ、時代もつかみながら提案ができる、ここにしかないおもてなしを、より磨いていきます。新本店には、東西南北の世界中から集めてきた、品格あるブランドが並びます。ブランドの本質的な魅力とは、形や色だけでなく、作られた過程や、素材の経緯、ブランドの歴史、デザインの源など、たくさんのストーリーが集積されたものです。商品をお手にとっていただくお客様に、これらのストーリーを、じっくりと、けれどさりげなくお伝えしていくこと。そして、お客様自身の暮らしの様子を想像しながら、さまざまにご提案できる、そんな空間を目指しています」

テーマやイメージのようなものはあったのでしょうか?

「大きなキーワードは“和モダン”です。日本の美的感覚は、和えることです。いいとこ取りと言ってしまえばそうだけれど、いいところを合わせて、新しいものを創りだすのが日本の美意識なんですね。和えるっていいな、と。東京オリンピックの時に、ホテルオークラから、国際交流会館から、金沢にある数々の和モダンの建築が生まれました。和のなかに、洋のモダンさが入ってくる建築。銀座に、和モダンを意識しているお店があったらいいな、と考え続けてきたのです。かつて、サンモトヤマが入店していた日比谷の三信ビルは、日本人が考える洋を形にした建築でした。それから、銀座から、本当の発信はあるのかな?と思うと、今は、元気がないなと感じていますね、それが悔しいんです。だから、伝統的な和の技術を持っている職人さんやデザイナーさんと、私たちサンモトヤマの遺伝子でもある洋のモダンなエッセンスを交えてみたいのです。技術に惚れ込んで、和え、新しい価値としてさらに伝えていけるか」

空間のなかで相まっていく

これらのテーマを、空間に落とし込んでいく難しさはどんなところにありましたか?また、デザイナーの柳原照弘さんとはどんな会話をしていったのでしょうか。

「デザイナーの柳原照弘さんとは、大げさでなく数回しか打ち合わせをしていません。彼が持っている思想と、私が感じているビジョンが驚くほどシンクロしていました。だから、不安は感じていません。むしろ、おおいにやっていただきたいと、申し上げていました。彼のデザインは、時間の経過を経ていくと素材や空間が場に馴染んでくることを、大切にしています。店舗として見れば、商品を傷つけるのではないか、収納が少ないのではないか、などさまざまな懸念事項も出てきますが、それらは人が介することで解決していける問題ばかりです。会長がかつて著書のなかで語っていましたが『ものが大事、お客様が大事、満足が大事』これをさりげなく実現化するのは、実はとても大変です。いまこそ、デザインを通じて、細部まで表現していかねばなりません。それこそThis is SUN MOTOYAMAなのだと、本当にいま、言葉と行動をいま一度、合わせていきたいと思っています」

サンモトヤマのエッセンスとは、つまりどんなことなのでしょうか。

「店の中をぐるりと見渡してみると、お気に入りのもの、目に止まるもの、ひとそれぞれ良いと思ってくださる点は異なると思います。アートもあれば、洋服もある。和も洋もオリエンタルなものも、私たちのフィルターで世界を見たときに、ぴんときたものを丁寧に集めてきているので、全体を通じて、サンモトヤマを感じていただきたいと思っています。それは、具体的な“もの”がない場所においても、例えば入り口の扉や、陽射しの入る窓、洗面所など…私たちが気をめぐらせ、準備を整えておける場所はすべてサンモトヤマの美意識を届かせたいと考えています」

この先の銀座、新本店に期待したいことを、改めて教えてください。

「私たちは、新銀座本店という、新たな場所から物語を発信し始めます。これまで“もの”に委ねてきた想いを、空間や、おもてなしのなかに、さらに表していきたいのです。この先も、これまでと変わらず、旅先は、西洋に留まることなく、中近東、アジア、日本国内へと目を向け、ものづくりの本質を見つめていきます。そして、2階では、“クローゼット”というテーマを通して、おひとりの暮らしを想像し、クローゼットの中まで寄り添い、ごく個人的に、ごく暖かく、提案していきます。
最後にここ、銀座の並木通り。世界中のセンスが集まる街として注目されるためにも、いつまでも“心豊かな暮らし”を追い求め、未完成であり続けること。これが、私たちが皆さまに常にクリエイティブをお届けできる秘訣なのだと思っています」

最後にここ、銀座の並木通り。世界中のセンスが集まる街として注目されるためにも、いつまでも“心豊かな暮らし”を追い求め、未完成であり続けること。これが、私たちが皆さまに常にクリエイティブをお届けできる秘訣なのだと思っています」

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  • 写真Hanae Miura
柳原 照弘氏のインタビューを見る

新・サンモトヤマ銀座本店GINZA MAIN SHOP

〒104-0061
東京都中央区銀座6-6-7 東京銀座朝日ビルディング1F・2F
Google Maps
Tel 03-3573-0003

平日
Open 11:00 Close 19:00
日・祝日
Open 11:00 Close 18:00
1F
アスプレイ
2F
レディス&ジュエリー

Tokyo Ginza Asahi Building, 6-6-7, Ginza, Chuo-ku, Tokyo 104-0061
Google Maps
Tel 03-3573-0003

Mon-Sat
Open 11:00 Close 19:00
Sun&Holiday
Open 11:00 Close 18:00
*TAXFREE